こどものころから読書感想文が苦手。
本を読んで感動することも自分なりに考えることもあるけれど、うまく文章にできない。担任の先生に「感想が違うんじゃないの?」と言われたこともあって、ますます恐怖症に。
「感想が違う」とは?先生の期待したネライを外したからいけないのかな。いろいろな感想があっていいんじゃないかな、と先生にあっかんべーをしながらも、人と感想が違ったらどうしよう…という不安がよぎることがある。


 今でも見た映画、読んだ本のことなど人に会えば話せずにいられないのだけれど、ブログで紹介したことはなかった。でもでも、昨晩、書かずにはいられない映画を観た。 気になっていたのにずっと観ないままでいた、 『イル・ポスティーノ』(1994伊)。
 仕事もなく、自分の住む島の美しさを語る言葉も持たなかった男・マリオが、詩人・ネルーダと出会ったことにより、言葉によって外界に敏感になってゆく。マリオは美しい女性に恋をして結婚もして、思想にも目覚めて…。詩人としてだけでなく人間的にも成長してゆくことで悲しいことも起きてしまうけれど、島の美しさにも世の中の矛盾にも無頓着だった彼が、それに気づき、表現する言葉を獲得し、行動するようになったことが輝いてみえる。


 絵を描くことで私の世界が変わった!と思って過ごしている私には、マリオの気持ちだけはわかるような気がする。絵を描くようになって、今まで気づかなかったことにたくさん心が動くようになったから。
 夢中になれるものに出会った人、探している人にもじ〜んとくる映画なのではと思う。

 もう一度観たいなあ。一度といわず、何回でも。


    
    今日はネコの日。ご近所ネコさんのスケッチです。