歩くのが好きです。しかも、毎日違う道を歩きます。
考え事をしたいときは、車のこない歩きなれた道にしますが、
「今日はこっちへ行ってみよう。」
「なんだか、今は右の方の道が気になるなあ。」
大体はそんな気分にまかせて、道を選びます。他所様の庭先の樹木をちらっとみたり、新しいお店を発見したり。制作のことを何でも相談できる親友と知り合ったのは、ふと気になって通ることにした道ばたで数年ぶりに再会した旧友が紹介してくれたから。直感はなかなかいいところへ連れて行ってくれます。

 白玉椿も、めずらしく通ることにしたところにできたお花屋さんで出会いました。ずっと描きたいと思っていた花です。とても大きな枝を、うれしく抱えて家に帰りました。たくさん蕾がついていて、これからがとても楽しみ。


 花が咲く前に、ちょっとお休みがちだった版画の摺りをじっくりと。
鹿の子椿が咲くまで3ヶ月はかかるけれど、店頭に並べてもらうためには季節より早目が大切。お正月が明けたら、便箋の売り場は桜一色になっているくらいです。それに比べれば私は少し遅めですが、今週中には春のハガキ数種を完成させたいと、版木や和紙と暮らす日が続いています。窓の外にみえる寒空にまけずに、春の気持ちを表現できたらと思います。